2017年9月17日にテレビ朝日で放送されたバラエティ番組『しくじり先生 俺みたいになるな!!』で、オリエンタルラジオの中田敦彦さんが、終活をテーマに「授業」を行いました。
番組では中田さんが、遺言書、葬儀、お墓の3つのジャンルについて授業を実施。このうち、葬儀をテーマにした授業では、葬儀について事前に家族で話し合っておかなかったことで、起こり得るトラブルを紹介しています。
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「私の葬式は質素でいいよ」という言葉が家族を苦しめる
中田さんは番組の冒頭で、いざという時に家族が葬儀について考えるとき、ある言葉が家族を苦しめると指摘します。その言葉とは、「私の葬式は質素でいいよ」です。
日本消費者協会の調査によると、「自身の葬儀はどんな葬儀にしてほしいか」という質問に対し、54.9%の方が「費用をかけないでほしい」と回答しています。
残された家族に負担をかけたくないという想いが伝わってくる結果です。番組で中田さんは、この要望通りの葬儀を行った場合に、起こり得るトラブルを紹介しています。
「故人の遺志を尊重して、葬儀を簡素に行ったところ、知らない親戚が『なんて残酷な奴らだ』『なんて薄情なやつらだ』と。その誤解から仲たがいしてしまう家族がいっぱいいるんですって」
中田さんが紹介する事例は極端だとしても、親族に「葬儀の費用を少しでも抑えようとしている」といった印象を与える可能性はあります。
こうしたトラブルを回避するために大切なことは、家族で話し合った葬儀の内容を、事前に親族へ伝えておくことです。
納得して依頼できる葬儀社を選んでいる時間がない
あらかじめ、葬儀社を決めていなかった場合、急いで葬儀社を探すことになります。
病院で逝去した場合、病院によっては2、3時間のうちに故人を連れていかなければならないからです。この移動を請け負っているのが、葬儀の依頼先でもある葬儀社です。
初めて葬儀社を探す方にとって、大切な方を亡くし、冷静に考えることができない状態で、葬儀社を短時間で決めることは難しいことです。その場合は、病院と提携する葬儀社に依頼することもできます。
ただし、中田さんは、病院と提携する葬儀社へ依頼する際に、次の点に注意するよう訴えています。
「良心的なパートナーシップを取っている葬儀屋さんもありますけど、自分で選べたんだろうか、という気にはなりますよね。そこが吹っ掛けているのか、良心的な相場で言ってきているのかわかりませんよね」
納得して依頼できる葬儀社を見つけるには、ある程度の時間が必要です。あらかじめ、身近で信頼できる方に聞いたり、インターネットで調べるなど、いざというときに備えて依頼する葬儀社の目星をつけておきましょう。
葬儀社の中には、病院からの移動だけを依頼できる葬儀社もあります。病院と提携する葬儀社が提示する見積りや説明に納得がいかない場合は、葬儀の日まで休むことができる場所、自宅や専用の安置施設へ故人を連れて行った後に、改めて葬儀社を探しましょう。
参列者の人数が予測できないために、想定以上の費用が発生する
葬儀の参列者を決めていないことでも、次のような問題が起こり得ると中田さんは言います。
「2日間くらいで呼ばなければならない。急遽電話をかけると、『行けたら行くわ』と。いつまでたっても人数がわからない」
参列者の人数が決まらなければ、葬儀を行う斎場を決めることができません。また、料理や会葬返礼品の数も決まらないため、葬儀後に予測で見積りをした金額を上回る額が請求される可能性もあります。
こうした事態を避けるためにも、あらかじめ葬儀に呼ぶ方を家族で話し合っておき、すぐに連絡が取れるようにリストにまとめておきましょう。
自分の葬式の準備をしておくことは、家族を傷つけないための義務
番組で紹介された葬儀のトラブルは、どれも事前に家族で話し合い、備えておくことで避けることができます。とはいえ、子供から親に葬儀の話題を振ることは難しいことです。
葬儀をテーマにした授業の最後に、中田さんは「自分の葬式の準備をしておくことは、家族を傷つけないための義務」だと訴えています。
「私の葬式は質素でいいよ」と任せてしまうのではなく、元気なうちに葬儀の内容を具体的に話し合い、親と子供とがお互いに納得した葬儀を行うことができるようにすることが、大切なのではないでしょうか。