画像はむすびす株式会社がお手伝いした、掲載許可を頂いている葬儀の画像です。
NHKで4月22日に放送された『ドキュメント72時間』で、葬儀を行う方のインタビューが放映されました。
番組のタイトルは「都会の小さなお葬式」。神奈川県・新横浜駅の前にある斎場で、葬儀を行う方たちに密着しています。
斎場は、葬儀を行う日まで遺体を預けることができる専用の安置施設だけでなく、少人数でお別れができる式場や宿泊施設も備えています。家族や親族など少人数でお別れをするスタイルを、一般的に家族葬と呼ばれています。
葬儀で家族葬を選ぶ方は年々増えています。首都圏の葬儀に関する情報を発信するエンディングデータバンクによると、家族葬の割合は84.7%にも上ります。
家族葬が増えている理由は、大きく分けて2つあります。ひとつは核家族化が進んでいるためです。特に首都圏では核家族化が進んだことで地元の付き合いが薄れ、近所の方を呼ばずに葬儀を行う方が増えています。
もうひとつは、故人の高齢化が進んでいるためです。故人と付き合いのあった方はすでに旅立っている、付き合いのある方も高齢で参列できるだけの体力がないといった理由から、葬儀の案内をする方がいないため、身内だけで行う家族葬が選ばれる傾向にあります。
NHKの番組でインタビューに答えた方は、家族葬に決めた理由について、「大がかりな式で残された家族に手間をかけたくない」という故人の遺言があったからだと言います。別の家族は、「最期に、家族水入らずの一夜を過ごすため」だと言います。
このように、葬儀を行う方の意識の変化も、家族葬が増えている要因だと考えられます。
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家族葬のトラブルを避けるために、葬儀の案内は慎重に
年々、家族葬を行う方は増えていますが、それに伴いトラブルも起きています。トラブルが起きる理由のひとつは、葬儀の案内によるものです。
「家族葬」という言葉のイメージに振り回され、家族だけで行った結果、葬儀の案内をしなかった親族や親しい友人などから、「どうして葬儀に呼んでくれなかったのか」と、家族葬を終えた後に言われることがあります。
家族葬は、「家族だけで故人を見送る葬儀」ではありません。「故人と生前に親しくしていた方と見送る葬儀」です。ですから、親族や親しい友人が参列してもおかしくはありません。
また、家族葬は、言い方を変えれば「葬儀に参列する方を家族が決めることができる葬儀」でもあります。葬儀の案内をするかどうか迷ったときは、「故人だったら最期にお別れをしたいかどうか」を基準に考えてはいかがでしょうか。
それでも迷う場合は、今後の付き合いもあるので葬儀の案内を送り、葬儀に参列するかどうかの判断を相手に委ねましょう。
同じ家族葬でも、「何を大切にするか」で費用や場所は変わる
家族葬を行う上で、トラブルが起きるもうひとつの理由は、「家族葬は参列者が少人数だから、安くできる」という思い込みです。
同じ家族葬であっても、どんな送り方をするのか、家族の考え次第で費用は大きく変わります。
「参列者が身近な人ばかりだから、料理や会葬返礼品は用意しない」という考えであれば、費用を抑えることはできますが、「故人に代わって、おもてなしはしっかりしたい」という考えであれば、一般的な葬儀と費用は変わりません。
また、「入院生活が長かったので、最期は自宅で見送りたい」という考えで、自宅で葬儀を行えば、斎場の使用料はかかりません。「亡くなったことを近所の方に知られずに見送りたい」という考えであれば、斎場で葬儀を行うため使用料はかかりますが、近所への挨拶などに時間を取られることなく、お別れができます。
今回、NHKの番組でインタビューを受けた方々は、「家族だけでシンプルに送りたい」という考えの方でしたが、考え方によって家族葬も「100人いれば100通り」です。
「万が一」のことは、縁起の悪いことでもあるので、なるべく考えたくないものです。しかし、いざという時は、冷静に考えられるものでもありません。
こうした機会をきっかけに、大切な方との最期の時間をどのように過ごすのか、考えてみてはいかがでしょうか。