宗教にとらわれないオリジナリティあふれる葬儀スタイル!

実家の宗教・宗派がわからないとご相談をいただくことも多くなってきました。

お葬式といえば、その家の宗教儀礼に則り、執り行なわれることが一般的な考え方でした。 しかしながら、昨今ではご家族で宗教が違うことも多く、お葬式を執り行う際にどのような葬儀形式を執ればいいのか、またご実家の宗教・宗派がわからないとご相談をいただくことも多くなってきました。また、ご自身の終活を考える中、人生のエンディングとして葬儀のことをご家族とお話をされる方も多くいらっしゃるとのことです。

このようにライフスタイルの多様化でご葬儀に対する考えや私たちの価値観はどのように変化しているのでしょうか。 国内での宗教における動向と、そこから葬儀に関連するデータを元に、今現在の葬儀に対する状況ならびに今後の動向を見て行きたいと思います。

国内葬儀データから見える、現在の宗教・宗派の状況

文部科学省が毎年調査、公開している「宗教総計調査」から、国内においての宗教の浸透と関わり方を見ると、神道と仏教の二派が全体のほぼ50%を占め、代々家に引き継がれた宗派を踏襲していることが見えてきます。

しかしながら宗教全体の信者数に関しては年々減少の状況が見られ、2020年の調査結果は2015年と比較し、信者数は-7,746,414人、比率としては-4.10%の減少となっています。 これについては、日本の総人口(2019-2020年 総務省統計局人口推移)の純減率が毎年平均-0.15%ほど減少していることも要因の一つと考えられますが、現在の私たち日本人のカルチャーやライフスタイルを鑑みると、一つの宗教との関り方が薄くなったことも大きな要因と考えられます。

国内各宗教・宗派信者数の比率を見ると、古来から存在する神道信仰と仏教信仰に多くの日本人が属し、この宗教観と宗教行事が慣習として根付き、当たり前のように代々引き継がれてきたことが見て取れますが、その一方で近代日本以降、クリスマスや結婚式など他の宗教のカルチャーが自然と私たちの生活様式に受入れられ、日常に浸透してきたことで混在する宗教観が生まれ、一つの宗教様式にこだわらなくても…という意識の変化もこの要因として見逃せないところです。

無宗教での葬儀相談が年々増加。宗教と葬儀の関連性は薄くなっている?

では実際に葬儀においての皆さまの宗教観はどのような状況でしょう。
前段での国内の宗教関連のデータと並行し、上記「お葬式のむすびす」での宗教別相談数を検証すると、以下のことがわかります。

1.全体の7割を有していた仏教とお答えする方の割合が、2018年当時と比べ、2021年の数値は-10%と減少の傾向である。
2.仏教に代わり、無宗教とお答えする方の割合が年々増え、2018年当時と比べ、2021年の数値は、+7.65%と増加の傾向にある。
この状況において、事前相談で直接ご相談者からご希望の葬儀形式等をおうかがいすると、

宗教は仏教だとは思うが、それ以上の詳しいことが不明でどうすればいいかわからない。
葬儀形式は仏教でと考えてはいるが、法要等葬儀行事を含め最小限の形式で執り行いたい。
実家では仏教を信仰していたが、すでに菩提寺等もないので葬儀に関しては宗教にこだわっていない。
生前の個人の希望もあり、葬儀儀礼等にこだわらず、故人らしさを大切にした葬儀で送りたい。

等さまざまな理由により、宗教にこだわらないご葬儀を選択されるご相談様が増えていることで、無宗教での葬儀の需要が増えています。

特に最近は、多くのメディアで注目される「終活」の影響もあり、上記のようにご自分の葬儀に関しての希望をエンディングノート等にしたため、ご家族に託すというケースも多くなっています。

故人への想いを大切にするオリジナル葬儀の需要とその費用感のまとめ

自分らしく、宗教にこだわらずご自身のエンディングを考える方や、故人への想いを大切に形にしたお見送りしたいというご希望を持つご家族が増える中、お葬式も今までの宗教儀礼に沿った当たり前の祭壇よりも、映像やパネル等を主軸としたテーマでオリジナリティを求める葬儀空間が望まれるようになりました。
そのオリジナル葬儀空間の主軸となるメモリアルスクリーンの利用状況の変動(以下表)を参照すると、2021年に一気にその需要は高まり、前年比+234%という値になっています。
また祭壇に掛ける費用に関しては従来と大きな変動はなく、宗教の慣例・慣習とは一味違うお葬式を同じ費用感で執り行うことが可能となり、その需要が年々高くなっていることが以下グラフでも指し示されています。

あわせて読みたい