築地本願寺とは
築地本願寺は、江戸時代から現在に至るまで、首都圏を代表する格式ある寺院のひとつです。
東京都中央区という立地にあり、駅からも近く、知名度が高いため、多くの企業の社葬や有名人の葬儀が行われる大規模な葬儀のための式場というイメージがあります。
しかし、実際には小規模な家族葬から大規模な社葬まで、葬儀の規模に応じて式場を選択できることは、あまり知られていません。
そこで今回は、中央区内の式場として抜群の知名度と利便性を誇る築地本願寺での葬儀・家族葬についてご紹介します。
築地本願寺ってどんな寺院なの?
築地本願寺は、東京都中央区築地三丁目にある寺院で、正式名称は「浄土真宗本願寺派 築地本願寺」です。
2017年に創建から400年を迎えた、東京を代表する寺院の一つです。
1617年(元和3年)、京都の西本願寺の別院として浅草近くに創建されましたが、1657年(明暦3年)の大火で焼失しました。
その後、再建のため江戸幕府から与えられた土地が、現在の築地です。
当時、この土地は海上でしたが、埋め立てて本堂を建立したことが「築地」という地名の由来となりました。
しかし、1923年(大正12年)の関東大震災で再び本堂が焼失し、1934年(昭和9年)に再建され、現在の姿となりました。
現在の本堂は、帝国大学(現・東京大学)名誉教授で建築史家の伊東忠太博士が設計しました。
インドなどアジアの古代仏教建築を模した外観、本堂入口のステンドグラス、数多くの動物の彫刻が特徴で、オリエンタルな雰囲気が漂い、シルクロードを通じた仏教伝来の歴史を感じさせます。
また、2011年(平成23年)には、本堂および大谷石の石塀、三つの門柱が国の重要文化財に指定されました。
都内でも有数の知名度を誇る寺院であることから、社葬や有名人のお別れの場として利用されることも多く、三島由紀夫さん、勝新太郎さん、X JAPANのhideさん、山岡久乃さん、竹下登元総理、中村勘三郎さん、大島渚さんなどの葬儀もここで執り行われました。
創建から400年、築地本願寺『寺と』プロジェクト始動
前身となる「本願寺江戸御坊」の創建から400年。築地本願寺が目指しているのは、かつて人々の暮らしの拠り所であった寺院の役割を、現代にふさわしい形に再構築した「新しい時代の寺院の姿」です。
「寺と」あなた、「寺と」わたし。「寺と」はどのような場所なのかを考え、人々の人生や暮らしに寄り添うことを目的とした**『「寺と」プロジェクト』**がスタートしました。
誰もがふと立ち寄りたくなる時間と空間を提供し、不安や疑問を気軽に相談できる交流の仕組みをつくることを目指しています。
築地本願寺は、「暮らし」「学び」「憩い」「お墓」など、さまざまな取り組みを通じて、人々が心豊かに、安心して生きていける社会の実現を目指しています。
築地本願寺で葬儀・家族葬ができる?
築地本願寺は浄土真宗本願寺派の寺院ですが、宗教・宗派を問わず利用できる式場があります。
都内でも屈指の格式ある寺院であり、社葬や有名人のお別れの場として利用されることが多い格式高い式場のため、一般の方には敷居が高く、費用も高額になると思われがちですが、決してそんなことはありません。
築地本願寺には、「本堂」「第二伝道会館(蓮華殿・瑞鳳)」「聞法ホール」などの式場があり、大規模な社葬やお別れの会、一般葬、家族葬、一日葬など、葬儀の規模に応じて選択できます。
東京メトロ日比谷線「築地駅」と直結しており、銀座・築地エリアという立地にありながら駐車場も広いため、多くの方に選ばれています。
所属するお寺がない場合は、浄土真宗本願寺派の僧侶を紹介することが可能です。
また、葬儀を執り行う葬儀社を通じて、他宗派の僧侶を紹介してもらうこともできます。
葬儀や法要を執り行う際にも、安心して僧侶を迎えることができます。
葬儀後についてもお任せできる
築地本願寺は、斎場(葬儀場)として葬儀に利用できるだけでなく、葬儀後の供養・法要など、さまざまなサポートを行っています。
お墓、合同墓、納骨堂
お墓を通じてより多くの方にお寺に親しんでいただきたいという考えのもと、築地本願寺ではさまざまなタイプのお墓を提供しています。
「先祖代々の墓を守り続けるのが難しい」「墓地を求めても相続する身内がいない」「家族にお墓の心配をかけたくない」といった方のために、築地本願寺境内には合同墓があります。
また、築地本願寺和田堀分院(杉並区永福)には京王線明大前駅に広がる墓地があり、築地本願寺慈光院(墨田区横網・両国駅近く)には納骨堂もあります。
築地本願寺のお墓の最大の特長は、800年続く浄土真宗本願寺派の直轄寺院であることによる信頼と安心です。
法要・オンライン法要
築地本願寺では、年回忌法要・祥月法要・納骨法要・入仏法要などを受け付けています。
会場は、本堂(約30名まで)、礼拝堂(25名まで)、瑠璃の間(20名まで)、琥珀の間(6名まで)から選べます。
また、コロナ禍で家族や親戚が集まることが難しい方のために、インターネットを利用したオンライン法要(読経)の申し込みも可能です。
通信環境に不安がある場合は、無償でレンタルパソコンを提供しています。
さらに、2020年10月1日からは、「築地本願寺倶楽部」にご入会いただくことで、事前に法要時間の予約が可能となりました。
グリーフサポート
大切な方を亡くした悲しみや心のつらさに悩まれている方のために、臨床心理士や公認心理師が専門的な相談に応じる「グリーフサポート」を実施しています。
初回相談は無料でご利用いただけます。
参拝、オンライン参拝
築地本願寺の本堂は、朝6時(開門)から夕方16時(閉門)まで、いつでも参拝が可能です。
日常のお勤めとして、7時から「晨朝勤行(朝のおつとめ)」、16時から「日没勤行(夕方のおつとめ)」が行われています。
また、築地本願寺の様子や常例布教の様子をLIVE配信しているYouTubeチャンネル「築地本願寺チャンネル」では、自宅から視聴することができます。
築地本願寺に相談する
築地本願寺は、ご法縁(仏法を縁とする慈悲)を大切にする考えのもと、より多くの方に親しんでいただけるよう、さまざまな相談に無料で対応する窓口を設けています。
相談内容やスケジュールに応じて、適した窓口を選ぶことができます。
コンタクトセンター
電話相談窓口では、築地本願寺に関する一般的なお問い合わせをはじめ、お通夜・葬儀のご相談、合同墓や納骨堂、お墓に関するお問い合わせを受け付けています。
人生サポート
「人生サポート」は、終活に関するさまざまな取り組みを提案するサービスです。
これからの自分や家族のことを考える上での不安を解消し、希望を実現するための支援を提供します。
相続などの法律相談、遺品整理、遺言書や自分史の作成、資金計画(ライフプラン)相談などについて、信頼できる提携パートナー会社と共に、終活に向き合うお手伝いをしています。
銀座サロン
中央区銀座2丁目にある築地本願寺「銀座サロン」では、仏事やお墓のことに限らず、人間関係や日々の生活の不安など、気になることをお坊さんに相談できる「よろず僧談」を実施しています。
また、仏教的な考え方をベースにした講座や、日々の暮らしのヒント、人生や終活を考える講座が集まった「KOKOROアカデミー」も開催しています。
ほかにも築地本願寺には魅力がいっぱい
本堂でのお参りや、斎場(葬儀場)での葬儀・家族葬、終活や仏事、お墓に関する相談ができるだけでなく、築地本願寺には多彩な楽しみやサポートもあります。
泊まる
築地本願寺内の第一伝道会館では、和室12室・洋室3室を備え、宿泊予約が可能です。
遠方から参列される方の宿泊にも利用できるほか、葬儀や法要以外の目的での宿泊も可能です。
食べる
創建400年を迎えた2017年、インフォメーションセンター内にオープンした「築地本願寺カフェTsumugi」では、仏教や浄土真宗にちなんだ朝食やランチ、築地場外市場のおつまみ、築地本願寺オリジナルのブレンドティーやスイーツを楽しめます。
中でも、平日50食・休日70食限定の「18品の朝ごはん」は、売り切れ必至の大人気メニューです。
広大な境内には、グルメも充実しています。
築地という立地を活かし、伝統が息づく日本料理や精進料理、門前蕎麦などを堪能できる日本料理「紫水」。
また、ガラス張りの明るいスペースで甘味が楽しめるティーラウンジにはモーニングセットもあり、早朝の参拝後のひと休みに最適です。
楽しむ
築地本願寺には、仏教寺院としては珍しいパイプオルガンが設置されています。
このパイプオルガンは、仏教音楽の普及を願い、(財)仏教伝道協会より寄進されたもので、仏式の結婚式など、さまざまな場面で演奏されています。
また、ランチタイムコンサート(毎月最終金曜日 12:20~12:50)が定期的に開催されており、クラシックや仏教讃歌の演奏を中心に、パイプオルガンの魅力を堪能できます。
築地本願寺内の第一伝道会館にある劇場**「築地本願寺ブディストホール」**は、1985年に開場したプロセニアム方式の舞台です。
演劇公演を中心に、演芸、舞踊、講演会、撮影、各種イベントなど、さまざまなライブ公演を楽しむことができます。
築地本願寺は、都内でも有数の格式ある寺院であり、敷居が高いと感じられることもありますが、堅苦しいお寺のイメージを払拭する多彩な体験を提供する、魅力あふれる寺院です。
銀座・築地周辺を訪れた際は、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。