葬儀後のお礼メールの書き方と文例|シーン別に解説

「お礼を伝えたいけれど、どんな言葉が適切かわからない」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

葬儀を終えた後、参列してくださった方やお世話になった方々へ感謝の気持ちを伝えることは、大切なマナーの一つです。しかし、どのような文章で伝えるべきか、また、どの程度フォーマルな表現が必要なのか迷うことも多いでしょう。

特に、メールでお礼を伝える場合、「簡潔にまとめるべきか?」「ビジネスメールと同じ形式でいいのか?」など、疑問を抱える方も少なくありません。本記事では、葬儀後のお礼メールの基本マナーを解説したうえで、相手別・シーン別に具体的な例文を紹介します。

葬儀後のお礼メールの基本マナー

お礼メールを送る際には、いくつかの基本的なマナーを押さえておく必要があります。ここでは、送るタイミングや文章のポイントについて解説します。

送るタイミング

葬儀後のお礼メールは、できるだけ 1週間以内 に送るのが理想的です。特に、会社関係者や取引先などフォーマルな相手には、早めにお礼を伝えることで礼儀を示すことができます。

ただし、葬儀後は手続きや対応で忙しいため、送るのが遅くなってしまうこともあるでしょう。その場合は、「ご連絡が遅くなり申し訳ありません」と一言添えると、印象が悪くなりません。

💡 遅れた場合のフォロー方法

2週間以上経ってしまった場合でも、気づいたタイミングでお礼を伝えるのが大切

「落ち着いたので改めてご連絡しました」と前置きをするとスムーズ

メールで送る際のポイント

メールでのお礼は、電話や手紙に比べて手軽ですが、相手に失礼にならないよう注意が必要です。以下のポイントを押さえておきましょう。

① 簡潔にまとめる

葬儀後のお礼メールは 長文になりすぎないようにする ことが大切です。遺族として忙しい時期であることを考慮し、相手も簡潔な文章を望んでいることが多いです。

✔ 良い例

先日は葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。おかげさまで無事に式を終えることができました。心より感謝申し上げます。

❌ 悪い例(長すぎる)

先日はお忙しい中、わざわざ〇〇の葬儀にお越しいただき、心より御礼申し上げます。生前、〇〇も皆様にお世話になり、大変感謝しておりました。皆様のお心遣いにより、無事に式を終えることができましたことを深く感謝しております。

② 故人の名前を明記する

会社関係者やあまり親しくない人へ送る場合、故人の名前を明記 しておくと、相手が混乱せずに済みます。

✔ 例

先日は、亡き〇〇(故人の名前)の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。

③ 句読点を控えるべきか?

昔ながらの慣習では、弔事の文章には 「、」や「。」を使わない というマナーがあります。これは、「区切りをつけない=悲しみが途切れない」ことを意味するためです。

しかし、現代ではメールでのやり取りが一般的になり、特に気にしないケースも増えています。 迷った場合は、フォーマルな相手(取引先など)には句読点を避け、親しい人には普通の文章で送るとよいでしょう。

④ 敬語の使い方と注意点

お礼メールでは、「お礼申し上げます」「心より感謝いたします」 などの表現が適切です。ただし、以下の点に注意しましょう。

❌ 誤った敬語

「ご苦労様でした」→ 目上の人にはNG(「お疲れ様でした」が適切)

「ありがとうございましたでした」→ 二重敬語(「ありがとうございました」でOK)

✔ 適切な表現

「このたびはご多忙の中、ありがとうございました」

「心より御礼申し上げます」

相手別のお礼メールの例文

葬儀後のお礼メールは、送る相手によって適切な表現や文体が異なります。

会社関係者・親族・友人 など、主な相手別に適した例文を紹介します。

会社関係者向けのお礼メール

上司・取引先へのお礼メール

フォーマルな敬語を使用

簡潔ながらも感謝の気持ちを丁寧に伝える

仕事上の関係性にも配慮した表現を入れると◎

🔹 例文(上司・取引先向け)

件名: 【御礼】葬儀参列の御礼

本文:

○○株式会社 △△部 ○○様

お世話になっております。△△(自分の名前)です。

先日はご多忙の中、亡き〇〇(故人の関係:父・母など)の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。

おかげさまで無事に式を終えることができました。

まだ落ち着かない日々が続いておりますが、今後とも変わらぬご指導を賜りますようお願い申し上げます。

取り急ぎ、メールにて御礼申し上げます。

同僚・部下へのお礼メール

上司ほど堅苦しくなくてもOK

「気遣いへの感謝」も加えると良い

ややカジュアルな表現でも問題なし

🔹 例文(同僚・部下向け)

件名: 先日はありがとうございました

本文:

○○さん

先日は、〇〇(故人の名前)の葬儀にお越しいただき、ありがとうございました。

また、お気遣いのお言葉もいただき、大変励まされました。

まだ少し落ち着かない日々ですが、また改めてお礼をお伝えできればと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。

親戚・親族向けのお礼メール

遠方の親戚へのお礼

久しぶりに会った人には「再会への喜び」の文言を入れ、「落ち着いたら改めて挨拶したい」などの文言を入れる

🔹 例文(遠方の親戚向け)

件名: 先日はありがとうございました

本文:

○○叔父さん(または○○様)

先日は遠方より葬儀にお越しいただき、ありがとうございました。

久しぶりにお会いできて嬉しかったですし、〇〇(故人)もきっと喜んでいると思います。

まだ慌ただしい日々が続いておりますが、落ち着いたらまたご連絡いたします。

取り急ぎ、メールにて御礼を申し上げます。

故人の兄弟・姉妹など近しい親族へのお礼

親族間ではあまり堅苦しくない文章が良い

気遣いの言葉を添えると温かみが増す

🔹 例文(故人の兄弟・姉妹向け)

件名: 先日はありがとう

本文:

○○おばさん(または○○さん)

先日は〇〇(故人の名前)の葬儀に来てくれて、本当にありがとう。

おかげで無事に見送ることができ、〇〇も安心していると思います。

まだ色々と落ち着かないけれど、またゆっくり話せると嬉しいです。

取り急ぎ、お礼まで。

友人・知人向けのお礼メール

親しい友人へのお礼

フランクな表現でもOK

相手が気を遣わないような言葉を選ぶ

🔹 例文(親しい友人向け)

件名: 先日はありがとう

本文:

○○(友人の名前)へ

先日は忙しい中、〇〇(故人の名前)の葬儀に来てくれてありがとう。

正直、あまり実感が湧かなくてバタバタしていたけれど、○○が来てくれて本当に嬉しかったよ。

まだ落ち着かないけど、また改めてゆっくり話したいな。

取り急ぎ、お礼を伝えたくてメールしました。

故人と親しかった人へのお礼

相手が故人と特に親しかった場合、「故人の気持ち」も添える

相手が喪失感を抱えている可能性もあるので、気遣いの言葉を入れる

🔹 例文(故人の友人向け)

件名: 【御礼】葬儀参列の御礼

本文:

○○さん

先日は、〇〇(故人の名前)の葬儀にお越しいただき、本当にありがとうございました。

生前、〇〇も○○さんには大変お世話になり、きっと感謝していたことと思います。

まだ実感が湧かない部分もありますが、〇〇の分まで頑張っていきたいと思っています。

また改めてお話できれば嬉しいです。

取り急ぎ、お礼まで。

シーン別のお礼メールの例文

葬儀後のお礼メールは、送る相手だけでなく、どのような状況で送るか(シーン別) によっても適切な表現が変わります。

特に多いケースである下記の3つのシーンに分けて、具体的な例文とポイントを解説します。

✅ 香典をいただいた場合
✅ 供花や弔電をいただいた場合
✅ 参列できなかった人へのお礼

香典をいただいた場合のお礼メール

香典は「弔意(ちょうい)=故人への気持ち」としていただくものであり、感謝の気持ちを伝えるのが礼儀です。

直接お礼が言えなかった場合や、葬儀後に落ち着いてから改めて連絡する場合にも、丁寧な感謝の意を表すことが大切です。

香典のみ送ってくれた人へのお礼

🔹 例文

件名: 【御礼】香典を頂戴し、ありがとうございました

本文:

○○様

このたびは、〇〇(故人の名前)の葬儀に際し、過分なお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。

ご厚意に深く感謝申し上げます。

ささやかではございますが、香典返しの品をお送りいたしましたので、ご笑納いただければ幸いです。

略儀ながら、メールにて御礼申し上げます。

会社関係者から香典をいただいた場合

🔹 例文(フォーマル)

件名: 【御礼】ご厚志を賜り、ありがとうございました

本文:

○○株式会社 △△部 ○○様

先日は、亡き〇〇(故人の関係:父・母など)へのご厚志を賜り、誠にありがとうございました。

皆様のお心遣いに、家族一同心より感謝申し上げます。

ささやかではございますが、香典返しの品をお送りいたしましたので、お納めいただけますと幸いです。

略儀ながら、まずはメールにて御礼を申し上げます。

ポイント

  • 香典返しを送る場合は、その旨を伝える
  • 会社関係者へは「ご厚志(こうし)」という表現を使うとフォーマルな印象に
  • カジュアルな相手には、もう少し柔らかい表現でもOK

供花や弔電をいただいた場合のお礼メール

なぜ供花・弔電のお礼を伝えるべきなのか?

供花(きょうか)や弔電は、故人への弔意として贈られるものであり、その気持ちに感謝を示すことが大切です。

供花をいただいた場合、葬儀会場で目立つため、他の参列者への影響も考慮して、お礼の意を表すことが望ましい。

供花を贈ってくれた人へのお礼

🔹 例文

件名: 【御礼】ご供花を賜り、ありがとうございました

本文:

○○様

先日は、〇〇(故人の名前)の葬儀に際し、ご供花を賜り、誠にありがとうございました。

故人もさぞ喜んでいることと思います。

まだ落ち着かない日々が続いておりますが、ひとまず御礼をお伝えさせていただきます。

略儀ながら、メールにて失礼いたします。

弔電を送ってくれた人へのお礼

🔹 例文

件名: 【御礼】弔電をいただき、ありがとうございました

本文:

○○様

このたびは、〇〇(故人の名前)の葬儀に際し、ご丁重な弔電をいただき、誠にありがとうございました。

温かいお言葉に支えられ、家族一同、大変感謝しております。

今後とも変わらぬご厚誼(こうぎ)を賜りますようお願い申し上げます。

略儀ながら、メールにて御礼申し上げます。

ポイント

  • 供花や弔電は、「故人が喜んでいることと思います」といった表現を入れると自然
  • フォーマルな相手には「ご厚誼(こうぎ)」などの言葉を使うと印象が良い
  • 親しい間柄なら、もう少しシンプルな表現でもOK

参列できなかった人へのお礼

なぜ葬儀に来られなかった人にもお礼を伝えるべきか?

参列できなかった人の中には「行けなくて申し訳ない」と感じている人もいる。

その気持ちに対して「お気遣いありがとうございます」と伝えることで、相手が気を遣わずに済む。

今後の関係性を保つためにも、丁寧な連絡を心がけることが大切。

葬儀に参列できなかったが、連絡をくれた人へのお礼

🔹 例文

件名: 【御礼】ご連絡をありがとうございました

本文:

○○様

先日は、〇〇(故人の名前)の訃報に際し、温かいお言葉をいただき、ありがとうございました。

ご多忙の中、参列が叶わなかったとのことですが、お気持ちだけでも十分ありがたく存じます。

また落ち着きましたら、改めてご挨拶させていただきます。

取り急ぎ、メールにて御礼を申し上げます。

事情があり参列できなかった方へのお礼(親しい人向け)

🔹 例文

件名: 先日はありがとう

本文:

○○へ

〇〇(故人の名前)の葬儀について気にかけてくれてありがとう。

参列できなかったとのことだけど、気持ちを伝えてくれただけでも十分嬉しいよ。

まだ落ち着かないけど、またゆっくり話せたら嬉しいな。

取り急ぎ、お礼まで。

ポイント

  • 参列できなかったことに対して「気にしないでほしい」という意図を伝えると良い
  • 「落ち着いたら改めてお話ししましょう」と添えると、今後のつながりを持ちやすい
  • 親しい間柄では、少しカジュアルな表現でも問題なし

あわせて読みたい

カテゴリー一覧

地域から葬儀場を探す