家族葬と密葬の違いは? それぞれの葬儀の特徴や迷ったら考えるべきことを解説
家族葬や密葬という言葉は知っていても、その違いを具体的に答えられる人は多くありません。 かつて密葬というと、亡くなった方の死を公にしたくないという理由で、身内だけで営む葬儀というイメージがありました。 しかし近年では、一般の方に広く葬儀の案内をしない形で、家族や近親者だけが集まる小規模な葬儀が主流となっています。 首都圏では、葬儀全体の約78%を占めるとされる家族葬も、広い意味では密葬に含まれると言えるでしょう。 ここでは、家族葬と密葬の特徴や違いについてご紹介します。
第1章 家族葬と密葬の違いは?
密葬とは、一般の参列者に葬儀を案内せず、家族や近親者だけでお別れをする小規模な葬儀の総称です。
広い意味では家族葬も密葬に含まれますが、それぞれには違いもあります。本記事では、密葬と家族葬の特徴を詳しく解説します。
家族葬とは
家族葬は、遺族が葬儀にお呼びする方を限定し、家族や親族、故人と親しかった友人など、少人数でゆっくりお別れをする小規模な葬儀のスタイルです。
近年、そのシンプルさや心のこもったお別れが注目され、首都圏1都3県では葬儀全体の約78%を占めるスタンダードな形式となりました。
参列者を親しい人に限定する家族葬は、故人の遺志や家族の想いを優先し、形式にとらわれずに行える葬儀です。そのため、宗教、日程、場所、式場の飾り付けなどを自由に決めることができます。
一般的には通夜、葬儀・告別式、火葬を2日間で行う点は通常の葬儀と変わりません。ただし、参列者が限定されることで、ゆっくりとした時間の中で故人とお別れすることができます。
家族葬という名称から「家族だけが参列する葬儀」と思われることがありますが、実際には参列者の人数や範囲に制限はありません。一般的には1名~30名規模で行われることが多いようです。
密葬とは
密葬とは、家族や近親者だけで営む小規模な葬儀の総称です。
広い意味では、家族葬も密葬のひとつとされています。
密葬の概念は幅広く、企業が主体となって行う社葬(団体葬)の前に、近親者だけで営む個人葬を密葬と呼ぶ場合があります。
この場合、葬儀式は行われますが、告別式は行われません。
また、地域によっては葬儀・告別式に先立って火葬を行う習慣があり、この場合、出棺と火葬を密葬、葬儀・告別式を本葬と呼ぶこともあります。
一昔前まで密葬といえば、故人の死を外部に知らせたくない何らかの事情から、一般の参列者を招かずに身内だけで密かに営む葬儀というイメージが一般的でした。
しかし、近年では小規模な葬儀が主流となり、家族葬、一日葬、火葬式(直葬)など、故人の遺志や家族の希望に合わせたさまざまな形式の密葬が選ばれるようになっています。
密葬は少人数で行うため、準備が比較的容易で葬儀費用を抑えられる点や、故人や家族のプライバシーを守ることができる点が特徴です。
第2章 家族葬と密葬で気をつけるべきこと
家族葬と密葬は少人数で営む葬儀であることは同じでも、それぞれの目的や形式には違いがあります。
家族葬と密葬を行うとき遺族が気をつけるべきこと、トラブルを回避するための方法について紹介します。
家族葬を行いたい場合に気をつけるべきこと
家族葬とは、葬儀にお呼びする方を限定し、少人数でゆっくりとお別れをする葬儀スタイルです。
一般的な葬儀では、訃報を案内する親族の目安として二親等以内の血族が基準とされていますが、家族葬の場合、参列者の範囲に明確な決まりはありません。
誰をお呼びするかは、家族葬を行う遺族の考え方によって決まります。
家族葬を行う遺族が最も悩むのは、連絡すべきかどうか迷う方がいる場合です。
このようなとき、判断の基準となるのは「故人が最後に会いたいと思う人かどうか」です。それでも迷う場合には、基本的にお呼びすることをお勧めします。
特に迷っている方が親族の場合、あとから「どうして自分だけ葬式に呼ばれなかったのか」と言われて親戚関係がこじれる可能性もあります。
また、その方が弔問のために自宅を訪れることも考えられます。
お呼びしなかった理由をきちんと説明できない場合は、葬儀にお呼びするほうが賢明です。家族葬は少人数ならではの自由さが特徴ですが、関係性を大切にしつつ、慎重に決めていきましょう。
家族葬を行いたい場合に気をつけるべきこと
密葬は家族や近親者のみで静かに故人を見送る小規模な葬儀の形式で、ゆっくりとお別れの時間を持ちたい方に適しています。
ただし、密葬を計画する際にはいくつか注意点があります。
家族だけで穏やかに送りたいのか、あるいは社葬(団体葬)などの大規模な葬儀に先立ってまず、密葬の目的を明確にしましょう。
行うのかによって、進め方が異なります。
社葬が予定されている場合は、密葬の日程や場所の情報が外部に漏れないよう特に注意が必要です。
密葬を執り行う際には、葬儀の範囲を明確にし、意向をしっかり伝えることが重要です。
例えば、「葬儀は家族のみで執り行います」「ご参列はご遠慮いただきます」などの案内を丁寧に伝えることで、家族だけでの静かな時間を確保できます。
また、「御供花・御供物の儀はご辞退申し上げます」と伝えることで、大量の供花や供物が届くことを防ぐことができます。
さらに、密葬の準備では、葬儀社との相談が不可欠です。
葬儀社に対して、自分たちの希望や懸念を詳しく伝え、密葬が意図した形で進行できるように手配を依頼しましょう。
特に、社葬が後日行われる場合には、密葬の意図を理解した上でサポートしてくれる葬儀社を選ぶと安心です。
密葬は少人数で行うため準備も比較的シンプルですが、その分一人ひとりの時間を大切に過ごすことができます。
落ち着いた環境で故人を見送りたい方にとって、密葬は最適な選択肢となるでしょう。
第3章 家族葬と密葬で迷ったら
家族葬と密葬の選択で迷ったときは、故人や遺族の交友関係の広さを基準に選ぶといいでしょう。
家族葬は葬儀にお呼びする方を限定して、家族や親族、故人の親しかった友人など少人数でお別れする葬儀です。
密葬のように後日、本葬やお別れの会は行わないので、葬儀にお呼びしなかった親類縁者や関係者から問い合わせや弔問が殺到することも考えられます。
葬儀を終えた直後から電話や弔問に対応するのは、遺族にとって大きな負担になります。
故人や遺族の交友関係が広い場合は、広く関係者にお知らせをする一般葬を営むか、身内だけの密葬を行った後、本葬やお別れの会をすることをお勧めします。
- 家族や親族、親しい友人だけでゆっくりお別れしたい
- 葬儀にお呼びする方の範囲や人数を限定したい
- 形式にとらわれず葬儀の内容を自由に決めたい
- 社葬やお別れの会を行う前に、家族だけで葬儀をしたい
- 日程(年末年始など)の都合がある場合
- 家族の事情や地域の慣習などで後から葬儀を行う場合
よくある質問
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家族葬と密葬の進め方に違いはありますか?
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家族葬も密葬も一般的な葬儀と同じように、1日目夜に通夜、2日目に葬儀・告別式、火葬を行います。但し、密葬は通夜や告別式を省略して、火葬のみを行うことがあります。地域によっては出棺と火葬を密葬、葬儀・告別式を本葬と称します。
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家族葬と密葬の規模はどれくらい? 参列者の人数制限は?
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家族葬や密葬に人数制限はありませんが、遺族が参列者の対応に追われることなく静かに故人を偲び、ゆっくりお別れできることが大切です。一般的に親族や親しい友人を含む10名~30名程度の規模で行われることが多いようです。葬儀社によっては30名までの人数制限をもうけて、それ以上になると追加料金が発生する葬儀プランもあります。必ず事前に確認しましょう。
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本葬をしない密葬は可能ですか?
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密葬と本葬に別れるのは、企業が運営主体となって営まれる社葬(団体葬)、故人が著名人で後日にお別れの会などを行う場合です。本葬をしない密葬は、一般的に家族葬と呼ばれます。ごく限られた近親者のみで故人を送る家族葬、一日葬、火葬式(直葬)は密葬の別名称といえます。
家族葬や密葬について、お葬式のむすびすにご相談ください
お葬式のむすびすは、1名~30名規模の家族葬の詳細なお見積もり、少人数のご葬儀に最適な斎場・葬儀場のご紹介、会葬辞退のご案内やご葬儀後の挨拶状まで、故人様とご遺族様の想いを大切にした“その人らしいお葬式”をお手伝いいたします。
社葬(団体葬)などの大型葬についても、式場や日程などの事前準備から、訃報案内、ご遺族の対応、式次第、進行実務まで、経験と実績ある自社スタッフが24時間365日ご相談を承ります。
家族葬、密葬、社葬(団体葬)、お別れの会に関するすべての費用については、契約前に詳細な見積りをご提示いたします。
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