家族葬の香典返し|家族葬で香典返しが必要なケース、基本的マナーなどを解説

遺族は家族葬の香典を辞退してもいいのか。参列者から「香典返しは不要です」と言われたとき、どのように対応すればいいのか。会社名義の香典や複数人の連名でいただいた香典に対して香典返しは必要かなど、少人数でお別れする家族葬だからこそ悩んでしまう香典のマナーについてご紹介します。

第一章 家族葬で香典は受け取るべき?

家族葬とは、遺族が葬儀の参列者をあらかじめ限定することで、比較的少人数でゆっくりお別れできる葬儀です。
名前に「家族」と付いているので、家族だけで行うものと思われがちですが、親族や故人と親しかった友人もお呼びできます。
家族葬では故人の遺志や遺族の考えによって香典を辞退される場合も多いようです。
しかし、香典には故人への供養の気持ちと残された遺族へのお悔やみの意味があるため、家族葬だから香典を辞退するという決まりはありません。
よほどの理由がない限り、家族のようにお付き合いしてきた参列者が持参した香典は受け取り、後日お礼として香典返しを贈るのが礼儀です

|家族葬のメリットとデメリット

家族葬のメリットは、遺族が大勢の参列者への対応に追われることなく、故人とゆっくりお別れする時間がもてることです。
家族と親しい方だけが参列するので、葬儀の内容や式場のしつらえを比較的自由に決められます。
また、葬儀の準備にかかる時間や費用を抑えられるのも特長です。
デメリットとしては、家族葬にお呼びする方をどこまでの範囲にするか線引きが難しいことです。
親族をお呼びしなかった場合、後から「どうして自分だけ呼ばれなかったのか」と言われる可能性もあります。
お呼びするかどうか迷ったときは、お呼びすることをお勧めします。

第二章 家族葬で香典返しの時期

香典返しは、葬儀のときに頂いた香典や供物・供花への感謝の気持ちと、四十九日法要を無事に終えたことを報告するために、返礼品に挨拶状を添えて贈ります。
香典返しをする時期は、四十九日法要を終えた忌明けが目安になります。
神道では三十日祭または五十日祭後、キリスト教に香典返しはありませんが、日本の慣習に合わせてお礼の品物を贈ることも多いようです。
最近は葬儀後の遺族の負担を減らすため、葬儀の当日に渡す「即日返し」も増えています。
即日返しの返礼品は香典の金額によらず全員に同じ品物を用意します。
但し、受け取った香典が高額だった場合は、忌明け後に改めて返礼品を贈りましょう。
香典返しの慣習は宗教や地域によっても違いがあるので、事前に葬儀社に相談するとよいでしょう。

【宗教別】香典返しを贈るタイミング

宗教 送る時期
仏教 四十九日後
神道 三十日祭または五十日祭後
キリスト教 (カトリック)
キリスト教 (プロテスタント)
三十日目の追悼ミサ
三十日目の召天記念日

第三章 家族葬の香典返しの相場

香典返しは、受け取った香典の半額の返礼品を渡すのが目安といわれます。
以前は香典の金額に応じてそれぞれ返礼品を渡していましたが、現在は一律3,000円~5,000円の品物を贈るのが一般的です。
返礼品はすぐに使ったり食べられる消耗品、どこの家庭でも使う日用品などが選ばれています。
具体的にはお茶、コーヒー、海苔、お菓子、タオル、カタログギフトなどが人気です。

第四章 家族葬の香典返しの掛け紙、表書き

香典返しの返礼品には熨斗(のし)のない掛け紙を用います。 熨斗は慶事の贈り物に使う縁起物なので弔事には用いません。
水引と表書きも地域によってしきたりが異なります。
東日本の水引は黒白5本結び切り、表書きは「志」。
西日本は黄白5本結び切り、表書き「満中陰志」が多く用いられます。
香典返しの掛け紙や表書きについては、返礼品を依頼する百貨店や葬儀社に相談するとよいでしょう。

第五章 家族葬で香典返しが不要なケース

香典返しは、葬儀のとき頂いた香典や供物・供花への感謝の気持ちを表すために贈るものですが、参列者の中には香典返しを辞退する方もいらっしゃいます。
こうした場合は、相手のご厚意を尊重して香典返しを贈るのは控えましょう。
会社名義の香典や供花、複数人が連名で香典を包まれている場合も香典返しは必要ありません。地域によっては香典返しをしない慣習もあります。
香典返しをすべきかどうか迷ったときは、葬儀社に相談しましょう。

第六章 香典返しの挨拶状について

挨拶状(お礼状)は、お香典をいただいた方に四十九日法要の報告を兼ねて、返礼品を添えて贈ります。
但し、あいさつ回りで香典返しを直接持参する場合や、香典返しを葬儀の当日に渡す「即日返し」にしたときは、挨拶状は必要ありません。
挨拶状の文章は、毛筆で文字を書いていた名残から句読点を用いません。
また、不幸が重なることを連想させる「たびたび」「ますます」などの重ね言葉、「四(死)」「九(苦)」「終わり」といった忌み言葉は避けます。
挨拶状には定型文があり、葬儀社や返礼品を依頼する百貨店などでも印刷できるので相談してみましょう。

香典返しのご挨拶の例文はこちら

第七章 香典返しの品物の選び方

香典返しの品物は、弔問していただいたことへの御礼と感謝の気持ちと、悲しみを忘れ去ってほしいという意味合いから、すぐに使ったり食べられる消耗品、どこの家庭でも使う日用品などが選ばれています。
具体的にはお茶、コーヒー、海苔、お菓子、タオルなどが定番です。最近は品物を自由に選べるカタログギフトも人気です。
返礼品として避けるべきものは、縁起物の意味合いがある鰹節や昆布、肉や魚などの生鮮食品、酒や煙草などの嗜好品、あまりに高額なものや華美な包装紙も相応しくありません。

家族葬の香典返しに関するQ&A

会葬者が香典を辞退した場合でも、香典返しは必要ですか?

香典を辞退した場合、香典返しは必要ありません。但し、親族や故人と関係の深かった方の中には、故人へのお悔やみの気持ちを表すため、あるいは遺族の金銭的な負担を軽減するため、昔からの地域のしきたりであるなどの理由で香典をいただくケースもあります。こうした場合は香典返しを贈るのがマナーです。

「香典返し不要」と言われたとき、どのように対応すればいいですか?

葬儀の参列者から「香典返しは不要です」と言われたり、会社名義や連名で包まれた香典に、香典返しを辞退する旨の記載があった場合は、相手のご厚意を尊重して香典返しを贈ることを控えます。後日、香典返しを辞退されたことへのお礼状を送りましょう。

家族葬の香典返し、挨拶状のお困りごと、お葬式のむすびすがお答えします

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