お葬式にネクタイピンはNG?ネクタイやアクセサリー・服装のマナーを解説

ネクタイピンは、ネクタイを固定して身だしなみを整えるほか、スーツ姿をおしゃれに引き立てる役割があります。普段のビジネスシーンではネクタイピンを当たり前につけているものの、お葬式の場面でつけてよいのか不安な方に向けて、お葬式におけるネクタイピンのマナーをご紹介します。

【基本】お葬式にネクタイピンはつけない

お葬式では基本的にネクタイピンの着用は控えるのがマナーです。
お葬式は故人への敬意を表す場であるため、参列者は華美な装いを避け、装飾品を控えめにすることが求められます。
よって、光沢のあるネクタイピンは喪服では目立ってしまいます。
ネクタイピンを使用しないことで、シンプルかつ厳粛な、お葬式にふさわしい装いになります。

お葬式でネクタイピンを控えるべき理由

  • お葬式において装飾品として目立ちやすいため
  • お葬式の場での必要性が高くないため
  • カジュアルな印象を与えかねないため

お葬式は故人を偲ぶ場であり、あくまでも主役は故人です。
そのため、参加者の装いは控えめにする必要があります。
ネクタイピンは金属製で光沢があることが多く、喪服を着用したときに光を反射して目立ちやすくなります。
目立つことは葬儀の厳粛な雰囲気を損なう恐れがあるため、ネクタイピンの着用は避けましょう。
また、ネクタイピンはおしゃれ目的でつける場合もあり、カジュアルな印象を与えます。
故人を偲ぶ気持ちを表すためにも、着用は避けるのが無難です。

そもそもネクタイピンをつける意味は?

ネクタイピンは、ネクタイを固定するためのアクセサリーです。
身体が動くことでネクタイがずれたり、スーツの胸元から出てきたりと乱れるのを防ぎ、見た目を整える実用的な役割があります。
ただし、日常のビジネスシーンでは、「おしゃれ」として使われることもあるアイテムです。
お葬式の場では、個性を主張することよりも故人への敬意を示すことが優先されます。
そのため、ネクタイピンを使用しないのが適切といえます。

葬儀における男性の服装マナーはこちら

どうしてもネクタイピンが必要な場合は選び方とつけ方に気をつける

「おしゃれ」としての側面もあるネクタイピンは、基本的にお葬式に身につけないことが望ましいです。
しかし、ネクタイピンは本来ネクタイがずれないように固定して、「身だしなみを整える」という役割があります。
そのため、式の最中以外でジャケットを脱いだときにネクタイの乱れが気になる場合や、ネクタイが固定されていないことで身だしなみが崩れてしまうことが懸念されるときは、葬儀用として販売されているものであればネクタイピンの着用が可能です。
葬儀用のネクタイピンは、タイクリップ式やタイバー式などネクタイピンの種類の中でもシンプルなデザインであることが多いです。
真珠があしらわれているものや、光沢のない漆黒やグレーなどのものは、故人を偲ぶ葬儀の場にふさわしいデザインであるため、どうしてもネクタイの乱れが気になる場合はこのようなネクタイピンを選びましょう。

 

ネクタイピンの選び方
・「葬儀用」として販売されているもの
・華美な印象に見えにくい「タイクリップ式」や「タイバー式」
・真珠があしらわれたもの(光沢のない白・黒・グレーなど)
・漆黒やグレーなどダークカラーのシンプルなデザインのもの
・黒曜石やジェットなどモーニングジュエリーをあしらったもの
ネクタイピンのつけ方
ジャケットの隙間やジャケットを脱いだときに見えにくい位置につける
【つけ方の例】
ネクタイを結んだときに下側にくるネクタイと、シャツを固定するようにつける

お葬式に参列する際のネクタイのマナー4選

ネクタイピン以外にも、お葬式でのネクタイに関するマナーはあります。以下で詳しくご紹介します。

ネクタイは必ず身につける

お葬式にネクタイなしの服装で参列することは基本的にマナー違反です。
ネクタイなしのスーツスタイルは、カジュアルな印象を与えてしまうため、フォーマルな葬儀の場にはふさわしくありません。
葬儀用のネクタイは、紳士服店以外でも購入できる場合があるため、必ず準備をして身につけて参列するようにしましょう。

葬儀用のネクタイを身につける

お葬式に参列する際は、ビジネス用ではなく葬儀用のネクタイを選びましょう。
一見同じような黒色のネクタイであっても、ビジネス用と葬儀用では黒色の濃さやデザイン、素材などが異なります。
葬儀用のネクタイは「マットな黒無地」のものが最適です。
黒色だからといってビジネス用のもので代用せず、必ず葬儀用のものを準備するようにしましょう。

光沢のないシルク素材を選ぶ

参列のマナーとしてネクタイは「マットな素材のものを選ぶ」とご紹介しましたが、控えめな光沢をもつ「シルク素材」は認められています。
シルク素材は、他の素材に比べて高級感を演出しやすく、厳粛な葬儀の場にふさわしいためおすすめです。
ポリエステルやレーヨンなどの素材のネクタイは光沢が出やすく、悪目立ちしやすいため控えましょう。

黒色・無地のネクタイを選ぶ

ネクタイの色は故人への思いや悲しみの深さを表し、黒色が深ければ深いほどよいとされています。
漆黒の黒色で、柄のない無地を選びましょう。
柄が入ったものや、黒以外の色のものはカジュアルな印象を与えてしまうためNGです。
黒であっても、織柄や刺繍の入ったものも普段の装いに近い印象を与えるため避けましょう。
また、最近流行している幅が狭く細い「ナロータイ」というネクタイもありますが、冠婚葬祭の場ではカジュアルすぎる印象を与えてしまいます。
そのため、お葬式用ネクタイとしては向きません。
葬儀の場では遊び心は必要ありません。
故人や遺族の方へ失礼にならないよう配慮することが大切です。

お葬式におけるネクタイのマナーはこちら

お葬式で注意すべきアクセサリーや身だしなみのマナー8選

ネクタイ以外にも、お葬式では身につけるものに関するマナーがあります。
間違えると失礼に当たることもありますので、ぜひ確認してから参列するようにしましょう。

腕時計

お葬式に参列するときは、基本的に腕時計を外します。
ひとつの理由として、ネクタイピンと同様に腕時計も光沢を持つ装飾品であるからです。
派手な印象があり、「おしゃれ」と捉えられることもあります。
2つ目の理由は、腕時計をしていることは「時間を気にしている」と受け取られる可能性があり、失礼に当たるからです。
そのため、葬儀に参列する際は必ず腕時計を外しましょう。

指輪

指輪はシンプルな結婚指輪のみ、身につけることが認められています。
結婚指輪以外のものは基本的に身につけません。
なぜなら、指輪はネクタイピンや腕時計と同様、「おしゃれ目的」と受け取られたり、目立ったりしやすいためです。
結婚指輪の中でも、ゴールド素材やダイヤモンドなどの宝石があしらわれているものは華やかな印象に見えてしまうため避けましょう。
また、結婚指輪ではない、婚約指輪もNGとされています。

カフス

カフスボタンもネクタイピンや腕時計と同様に男性の装飾品の一種であり、葬儀の場では不要なものです。
礼服としてカフスを使用してよいのは、慶事の場合だけと覚えておきましょう。
実用性というよりはおしゃれで華やかな印象が強いため、お葬式の場では目立ってしまい、ふさわしくありません。

ピアス・イヤリング

男性の場合、ピアスやイヤリングの着用は控えましょう。
ただし、洋装で参列する女性の場合には、「1粒の真珠」「金属の部分がシルバー」「耳に固定するタイプ(揺れるタイプはNG)」といったマナーを守れば着用が許されています。
2粒以上のものや、耳から離れて揺れるタイプは、「不幸の重なり」を連想させるため避けましょう。

ポケットチーフ

ポケットチーフは、普段のスーツスタイルに華やかさを添えるためのアイテムです。
葬儀において、参列者が華やかさを演出する必要はありません。
結婚式など慶事では礼服の上着にポケットチーフを入れることがありますが、お葬式では入れないのがマナーです。
ハンカチを入れる場合は胸ポケット以外の場所にしまいましょう。

カバン

男性で荷物が少ない場合には、無理にカバンを持つ必要はありません。
内ポケットにハンカチ、数珠、携帯電話、香典、財布を入れていくのが一般的です。
荷物が多くなり、カバンを持参する場合には、光沢のないデザインで、黒色の小さなものを選んで持っていくようにしましょう。目立たず、派手でないものが望ましいです。
革素材のものは殺生を連想させるため、お葬式に参列する際はマナー違反となります。

ベルト

ベルトは、派手なバックルや装飾のあるものは避け、シンプルな黒色の革ベルトを身につけます。
ベルトをスーツやネクタイの色と統一することで、シンプルな装いになります。
金具部分は光沢がなく、目立ちにくいシルバーのものを選びましょう。
素材は合皮、本革どちらでもよいですが、ワニ革など見た目から「動物革」とすぐにわかる素材は殺生を連想させます。
故人を偲ぶ葬儀の場では不適切なので、柄のないものを選びましょう。

喪服の着用時に使うベルトのマナーはこちら

靴・靴下

靴と靴下も、スーツやベルトと統一して黒色を選びましょう。
素材はベルトと同様で合皮、本革どちらでも構いませんが、見た目から「動物革」とすぐにわかる素材は殺生を連想させるためマナー違反です。 また、汚れた靴や傷んだ靴は、故人に対する敬意を欠き、全体の印象も悪くしてしまいます。
靴の手入れも忘れずに行っておくようにしましょう。

葬儀におけるアクセサリー選びのマナーはこちら

お葬式におけるネクタイピンや服装に関するQ&A

お葬式でネクタイピンをつけてもよいケースはある?

どうしてもつける必要がある場合は、目立ちにくい素材を選び、つけ方も目立ちにくいようにしましょう。
どうしてもネクタイピンが必要な場合は、葬儀用のネクタイピンを選びます。
お葬式に参列する際に身につけるアクセサリーとして認められている、白や黒の光沢のない「真珠」があしらわれたものや、喪服と同じ漆黒のシンプルなデザインのものが許容されます。
つけ方も、ネクタイを結んだときに下にくる方とシャツだけを留めると、表面のネクタイを留めない分まわりからは見えにくく、目立ちにくくなります。

お葬式におけるネクタイの結び方は?

プレーンノットやウィンザーノット、セミウィンザーノットが一般的です。
ネクタイは、もっとも基本的な結び方のプレーンノット、またはしっかりと型崩れしにくい結び方のウィンザーノットで結びましょう。
注意すべきなのが、結び目の下側にくぼみ(ディンプル)を作らないという点です。
ディンプルはネクタイを立体的で華やかな印象に見せるため、ビジネスシーンや慶事の場では歓迎されますが、故人が主役であるお葬式の場ではマナー違反であることを覚えておきましょう。

お葬式に参列する際の服装のマナーは?

男性の場合、準喪服に黒色のネクタイです。
【お葬式に参列する際の服装のマナー】

アイテム 選び方
スーツ ダブルまたはシングルのブラックスーツ
シャツ 白無地のワイシャツ(レギュラーカラーまたはワイドカラー)
準喪服とはブラックスーツのことです。
近年はお通夜の場合も準喪服がほとんどですが、お通夜の場合は略喪服と呼ばれるダークスーツでも構いません。
ブラックスーツの下には、クリーニングされた白のワイシャツを着用します。
襟をボタンで留めるボタンダウンシャツはカジュアルなイメージが強いため、お葬式では控えましょう。


葬儀に参加するときはシンプルな装いを心がけましょう

ネクタイピンは普段のビジネスシーンでは身につける機会も多いアイテムですが、お葬式の場では身につけないようにしましょう。
ご紹介したように、お葬式での服装マナーは装飾品を避け、華美にならないようにシンプルな装いを心がけることが大切です。
清潔感を第一に、ご遺族と故人に配慮した身なりで参列するようにしましょう。
「お葬式のむすびす」は、『その人らしいお葬式』にこだわり、故人とご遺族のためのお葬式をお創りしている葬儀社です。
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