Funeral Episode

お父様の好きだったお庭で ご葬儀事例

  • ご葬儀の形式
    家族葬
  • 参列者数
    親族:3名
  • 宗教
    無宗教
  • オプション
    • 花祭壇
    • 思い出コーナー
    • 料理
    • メイク・湯かん
    • 骨壷
    • 棺
    • 返礼品

ご長男との事前相談から4年。長年の闘病の末、お父様を見送る時がやってきてしまいました。担当プランナーとしてご自宅に伺った私に、ご長男は「母も体調を崩しており、参列者を呼ぶことはできないから…」と、火葬のみをご希望されました。しかしこのご家族にとって、本当に火葬だけのシンプルなお見送りで悔いは残らないだろうか。私には気がかりでした。

「庭にベンチがあるでしょう? 仮退院した父と、あそこに座って2人で話した時は楽しかったなあ。父はずっとご機嫌でね。何だかうれしそうでした」「やっと帰ってこられたんだから、家から見送ってあげたい」
ご長男のお言葉の端々から、お父様を想うお気持ちがあふれていました。

思い出のお庭で語り合うひと時を

私は思い切って、「このお庭で、ご葬儀をしませんか?」とご提案しました。

緑の木々に囲まれたお庭は、広々としてとても素敵でした。ウッドデッキに小さな祭壇をつくり、お父様、お母様、弟様の4人でゆっくりと最後の食卓を囲んでいただく。そんな時間をご用意するだけなら、費用が大幅に増えることもありません。
ご家族で一緒に、お父様とのお別れにひと時だけでも向き合う時間を作って差し上げたい。そんな気持ちから、ご提案させていただきました。

秋晴れの空の下でのお別れ

ご葬儀当日は、よく晴れた日でした。

記念日の定番メニューだったというちらし寿司を囲むご家族は、おだやかな風に吹かれながら、お父様の思い出を語り合っていらっしゃいました。お食事を終えられた頃、私はブルーマウンテンの豆と、コーヒーミルをテーブルにお持ちしました。

大のコーヒー党で、いつもブルーマウンテンを豆から挽いて飲んでおられたというお父様。ご家族の手で薫り高くいれられたコーヒーを、献酒がわりに、お一人ずつお父様の口元に運んでいただきました。

内容とお写真は、ご家族・会社様のご了承を得て掲載させていただいております。

この事例の担当エンディングプランナー

高野 孝徳

ご長男と弟様が、お柩に納めるお庭のお花をつんでいらっしゃる間、お母様はお父様に静かに語りかけていらっしゃいました。

「お父さん、ありがとう」。槿(むくげ)の花や思い出の品を手向けながら、2人の息子さんがかけられた感謝の言葉を、お父様はきっと聞いておられたと思います。
涙を見せながらも、皆様どこか晴れ晴れとした表情で、ご出棺の時を迎えられました。

「葬儀の問い合わせをした時から、ずっとどこかで後ろめたさを感じていました。でも、もしもの時には、倒れるまで家族のために働き詰めだった父を、きちんと送り出してあげたいと思っていたんです。今回、こんな風に見送ることができて本当に良かった。もう、思い残すことはありません」

ご葬儀の後、ご長男はそう言って、私の手を強く握ってくださいました。

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